保健師として海外で働こう！

保健師の活躍の場は、国内だけにとどまりません。世界を股にかけて活躍する女性の姿に憧れを感じている方もいることでしょう。ここでは、保健師が海外で働く方法と注意点を紹介します。経験を積むために、一度は世界的な仕事をしたいと思っている方は、こちらを参考にしてみてください。

国外での就職には現地の免許が必要

まず理解してほしいのが、日本の保健師の資格を持っているからと言って、どこの国でも仕事ができる訳ではないということです。細かな規則と取り扱いは国によって異なりますが、原則的には働く国で免許取得が必要となります。
現地での試験合格のためには、専門知識だけでなく高度な語学力が必要であり、生半可な気持ちでは難しいのが実際のところ。とりあえず数年間、と考えている方にとっては、ややハードルが高いと言わざるを得ません。

ボランティアなら資格がなくても参加可能

保健師として海外で働くのは非常に狭き門であり、なかなか希望が叶わない方も多いでしょう。そこでおすすめしたいのが、ボランティアとして働くということ。国際的なボランティア団体に申し込みをすると、資格無しでも世界的な活動に参加することができます。
日本政府も支援している団体を選べば安心ですし、毎年たくさんの日本人が、キャリアアップの一貫として申し込みをしています。保健分野では、発展途上国の公衆衛生整備や感染症対策が活動候補に挙げられ、参加が認められれば特定地域に派遣されて年スパンで活動します。
なお、ボランティアと言っても、現地の通貨水準に合わせた生活費が支給されることがほとんどであり、全くの無償というわけではありません。帰国した後に、復帰手当が支給されるケースもあります。待遇面で不安があれば、申し込み前に募集団体に問い合わせ、詳細を確認すると良いでしょう。

活動の大変さも理解の上で申し込みを

世界の現状を自分の目で知り、サポートする仕事は非常に大きなやりがいを感じますし、知識面でも技術面でも、大きな収穫があることでしょう。こう聞くといいことばかりのようですが、社会的なインフラが不十分な地域ゆえに、劣悪な医療設備の中で活動せざるを得ない大変さがあります。使いたい道具が手に入らず、十分なケアができないことにジレンマを感じる場面もあるでしょう。
さらに、日本のホテル住まいのような住環境が確保できることは少なく、衛生面にストレスを感じる方もいますし、現地で感染症が流行すれば自分自身も感染リスクにさらされます。これらのリスクがあることを理解しておきましょう。

海外で保健師として本格的に働く道は？

保健師として、本格的に国外で働きたいと考えている場合は、まず海外勤務の保健師求人を探してみましょう。日本人学校の養護教諭や研究機関職員、外国支店がある一般企業の産業保健師として働く道が考えられます。募集数は決して多くはないものの、経験を経て国外で働くことに関心をもった経緯、仕事への熱意を論理的に説明できれば、面接で有利に働きます。転職サイトの情報をこまめにチェックし、目ぼしい求人があった時には積極的に行動することで道は開けるはずです。

このように、保健師として海外で働くことは大きなやりがいを感じられる反面、さまざまな困難にも直面します。それでも、自分の目標や将来のために海外での仕事を望んでいるという方は、狭き門でも諦めずに働き口を探してみてください。